2017年7月15日開催のIIJmioミーティング#16(東京会場)に参加してきました。
直近で問題となった「国民センターへの苦情」
という悩ましい問題への
レスポンスとなるプログラムに、
技術的な話と、充実したプログラム内容となっていました。
今回の配布物
今回はいつもの水と、SIM型クリップ、
超便利な「インターネット便利帳付きノート」でした。
このインターネット便利帳ですが、
インフラ系エンジニアならあると便利と思える内容です。
お世辞抜きで私も必携しようと思います。
質問で「最近お菓子ないですけど?」
というのがありましたが、
Androidの新しいのが出ていないのでネタがないとのことでした。
展示スペース
今回の展示はmotorola社特設ブースと
IIJmioサプライサービスの端末展示です。
motorola社特設ブース
モトローラ社の方が出張してブースを出展していました。
展示は主力機種に力を入れて
「motorola motoZ2 PLAY」
でした。
個性的な端末で、
拡張性など面白いギミックが満載でした。
motorola motoZ2 PLAY
これはmotomodsというドッキングパーツを付けることで、
機能を拡張することができます。
(写真はHASSELBLADを取り付けたところ)
基本性能も十分な端末ですが、
更に尖った機能を拡張できるのがmotomodsです。
基本外観は薄くて持ちやすく、高級感があります。
ホームボタンのジェスチャー機能で「戻る」「タスク一覧」の操作ができます。
他の機種でもこのようなジェスチャー機能は搭載されており、
最近はこういった機能が流行っているのでしょうか。
3色展開ですが、「ニンバス」というブルーが個人的にはヒットです。
Androidバージョンも7.1.1です。
プロフェッショナルカメラモードは、
ISOや露出、シャッタースピードなどを直感的にかつ一つの画面で同時に変更できます。
一つの画面で変更できるのは非常に便利な印象でした。
撮影の幅が広く自由な写真が取れます。
HASSELBLADの外付けのカメラを付けていると光学10倍ズームができます。
個性派端末たち
IIJmio Updateで伝えていましたが、
IIJmioサプライサービスにて扱っている端末のラインナップが
かなり増えています。
今回は特に個性派な端末をピックアップしてみてきました。
Trinity NuAns NEO Reloaded
Windows10 Mobileで話題となったNuAns NEOの後継機です。
グッドデザイン賞を受賞しているデザインが特徴の一台。
カスタマイズの幅が広いのが特徴です。
ONKYO GRANBEAT
音響機器メーカーのONKYOが出すスマートフォンです。
音にこだわってハイレゾ音源に対応している高級機種です。
おそらく金属削りだしで作っているフレームらしく、
ずっしりとした重量感です。
ちょっと重すぎる印象ではあります。
エッジが丸まっていないためかなりゴツイ手触りです。
そして厚みを感じます。
音響メーカーらしい拘ったイヤフォンジャックが
音質の良さを予感させます。
重さやエッジといった点は難点にも感じますが、
このデザインはハイレゾ用のアンプユニットを
イメージさせているのでは?と思います。
Androidバージョンは6.0.1。最新ではないのは残念。
CAT S40
この端末はキャタピラーを製造しているメーカーの米キャタピラー社が
作ったものとのことで他の機種とかなり毛色が違う出自です。
この端末の販売はONKYOがしているとのことです。
ONKYOの方が米国へ行った際に惚れ込んで販売権を得たのだとか。
流石キャタピラー(無限軌道)のメーカーな、
タフネス感あふれる外見です。
基本的に端子類はキャップがされており、
防水防塵かつ堅牢な作り。
Androidバージョンは5.1です。
Androidのバージョンは少々残念なので、
バージョンアップ対応してほしいところです。
これに起因しているのか、
申し訳ないのですが操作感が今一つでした。
ちょっとモッサリとするかもしれません。
他にもZTE Blade V8、HuaweiのP10やP10liteもありました。
みおふぉん教室「格安スマホ」の修理や保証
最近話題の消費者センターや国民センターで問題となっている格安スマホ。
ニュースで「故障時に代替機が貸し出されないなんて聞いていない」といった、
サービス面での問題を耳にしたことがあります。
その修理や保証に関してキャリア(docomo)との比較を
IIJ堂前氏が解説をしてくださいました。
実際にあった話では格安スマホで端末が故障したら
「1ヶ月利用できない」という話があったという。
事実としてそのような出来事はあったのだと思うが、
それに対して今あるサービスで何とかできないのか
考えてみるのが本セッションの内容でした。
このセッションの内容を理解すれば、
飲み会でビールのジョッキに端末をドボンと入れても
補償サービスを使って交換できます。
格安SIMでの交換・修理方法は2つ
・メーカー修理
・端末補償オプション
二つの方法があります。
それぞれには特徴があり、
確かに選んだ方法によっては1ヶ月かかる場合もあるのかもしれません。
ただしっかりと選んでいけば使えない期間は
迅速に手配した場合最短で2日程度ではないかという印象でした。
メーカー修理
メーカー修理の特徴は
・メーカーによって対応速度が異なる
・メーカーによってはすぐに対応してくれるところがある
・製品の保証期間内なら無償修理の可能性があり
というところです。
代表的なメーカーの修理対応の内容は以下です。
メーカーさんにより内容が異なるのが特徴でもあります。
このなかで対応スピードが速いのは
・富士通(スピード交換サービス(有償))
・HUAWEI(自社窓口・サポートカウンター代替機貸し出し)
です。
ASUSさんがzenfoneで勢いがあるのに残念なんですが。
更に細かく見ていくと以下の通りです。
富士通が料金はプラスでかかるものの
手厚い対応をしてくれる印象です。
HUAWEIは東京と大阪なら実店舗での対面修理で
安心と迅速さがあります。
また、Y!mobileの店頭で代替機の貸し出しを受けることができるのは意外でした。
当然Y!mobileから買った端末以外でも修理受付と貸し出しを受けられます。
但し、店舗に代替機として貸し出せる在庫があるかはわからないので、
電話などで事前に確認したほうがいいです。
IIJmio端末補償サービスオプション
端末補償オプションの特徴は
・IIJmioサプライサービスからの購入時のみ加入可能
・均一かつ迅速な対応スピード(申込翌日発送)
・キャリア相当の対応
というところです。
キャリアさんの補償サービスとの比較では
「盗難・紛失」の場合だけ対象外なので注意が必要です。
端末補償サービスオプションでは
通い箱が配達されてくるので、すぐに端末を送り返すことになります。
通い箱の実物が用意されていました。
このような箱に入って交換端末が届くので、
事前に返送する端末を準しておく必要があります。
準することとしてはSIMなどを抜く、
データのバックアップや初期化など基本的なことです。
このサービスを利用した場合は流石に1ヶ月間使えないなんてことはありません。
この二つ以外に第三の選択も可能
じつはメーカー修理や端末補償サービス以外に取れる手段があります。
かくいう堂前氏もこの手法を使っているとのことです。
それは…
無補償です!
メーカー保証期間ならメーカー保証を使いますが、
それを超えたら、割り切るという方法です。
「壊れたんだから仕方ない。最新端末を買おう!」
ということです。
笑いを取る為のネタのように思いますが、
本気の話です。
私も同じく無保証で壊れたりしたら最新機種に買い替えています。
キャリアで高額な端末代金と高額な通信料金をダブルで払っているのと、
格安な通信料金で端末をホイホイ変えても同じくらいの収支に収まります。
流石に買って一週間で落として全損ではマイナスになってしまいかねませんが、
普通に使って落下などない分には補償が無くてもなんとかなります。
堂前氏がおっしゃっていたとおり、
キャリアで二年間分割払いで本体を購入していたり、
毎月の本体代相殺分の割引があったりすると、
二年間使い切らないといけないというプレッシャーがあります。
そういったことが無いのがシムフリー端末+格安SIMの良いところだと思っています。
安く運用して好きな時に買い替えることができます。
費用はかかりますが。。。
決して修理補償サービスを否定しているわけではありませんが、
考え方によってサービスを選ぶことができるのは心に留めておくといいと思います。
格安SIMでもサービス提供者から端末を購入した場合は、
キャリアとほぼ同等のサービスが受けられ、
少なくとも1ヶ月もかかることなく迅速に交換・補償が受けられるので、
安心して格安SIMは使えます。
トークセッション「スマートフォンがつながる仕組み」
このセッションの担当はIIJ佐々木氏。
いつもはフルMVNOなどMVNO側設備の話がメインですが、
今回はより端末寄りのコアネットワークや基地局設備のお話しでした。
しかし、端末と基地局のネットワークの話でも、
繋がる仕組みを細かく説明していたら
1週間座学研修をするエンジニアコースになってしまうとのこと。
範囲を絞っての説明でした。
まず最初は技術の話「変調」
電波に信号を効率的に乗せるには、
そのままデータを流せばいいわけではありません。
「変調」という約束事を使って同時に複数のデータを
電波に乗せて効率的に運ぶことで、
速度の向上などに繋がっています。
この変調方式も歴史があり、日々改良されて
新しい方式へと移ってきているとのことでした。
携帯電話の電源を入れるとどうなってつながるのか
端末の電源が入る前に、基地局は常に新しい端末を見つける為に、
「報知情報」と呼ばれる信号を定期的に送信している。
端末は電源が入っていきなり電波は出せないとのこと。
電波を出すにはお作法があるらしい。
また、電源が入ったばかりでも緊急地震速報などは
圏内になる前に実は受信しているとのこと。
使えるか使えないかは別の話。
実はアンテナアイコンが有効になるまでに
携帯電話はめまぐるしく状態が変化している。
電源が入ると放置情報を受信して基地局を探す。
SIMに記録されている基地局情報(RPLMN/HPLMN)をもとに、
指定された基地局へ接続に行く。
端末から電波を出すタイミングは基地局から
指定されたタイミングしかないので、
若干ここで待ち時間が出る場合もあるらしい。
基地局に接続されたら、
順次設備と認証を行っていき。
最後はPGWへの接続が許可されてインターネットへ出ていく。
国際ローミングの場合の挙動
ローミングの場合は、
RPLMN(前回最後に接続した基地局)やHPLMN(デフォルトの基地局)といった
優先される基地局が見つからないので、
その場合はOperator controlled PLMNをみて複数の基地局リストから
近くにある基地局へ接続する。
一応docomoの場合は接続料が安い事業者を優先的にリストアップされているらしいです。
ローミングの場合はインターネットに接続するのも
IPXと呼ばれる中継事業者を経由して
SIMの発行事業者のHSSの認証を得て行われる。
繋がるまでも多くのお作法があり、
端末は知らぬうちにこのような手続きをして、
使えるようになっているとのことでした。
今回の話はMVNOよりもキャリアの設備側の話ではありました。
それでも今後フルMVNOとしてHSS/HLRを運用していくうえで、
コアネットワーク技術をIIJのエンジニアが血肉にしていき、
新サービスの開発につなげていかなければならないと考えている
と佐々木氏の意気込みで締めくくられ、
今後のサービス展開への期待が感じられました。
トークセッション「通信速度」に影響を与える要素とは
スピードテストはわかりやすい。わかりやすすぎて我々を悩ます存在。
と語りながらも、このセッションを担当するIIJ堀氏。
MVNO(格安SIM)での速度低下原因はPOIが多い
いきなり核心。
格安SIMが遅い!と思ったら
キャリアとMVNOの接続部であるPOIの帯域不足。
良く知られている部分でもあり、
増強(増速)するといったらこの部分を指します。
実はモバイルはIIJのネットワークの中で一番輻輳(混雑)が発生しているとのこと。
モバイルは一人一台なので利用者が多いことがうかがえます。
速度の変化の原因はTCPプロトコルにもあり
実は速度の変化はTCPの制御的に避けられず、
パケットロスが発生すると一気に速度が下がる。
更には距離が延びるとTCPは遅くなります。
物理的に離れると中継する機器が増えて、
速度が低下します。
だとしてもこんな状態で成り立つのか?!と思う位に
混雑している状況であっても成り立っているのでTCPの仕組みはすごいとのこと。
実際通信が常々問題なくできているので、
TCPの凄さを改めて認識しました。
IIJのトラフィック制御に対する考え方
これまでも掲げられてきた、
IIJのトラフィック制御に対するポリシーともいえる考え方です。
最後の「増強は正義」にユーザーサイドとしては尽きます。
そして土管は中身に触れないといった制御ポリシーには共感します。
現状の通信品質問題については認識してくださっているようですので、
小手先から根本までの対応を是非お願いしたいと思います。
フリートークセッション
フリートークですがスピードで過ぎて行ってしまいましたので、
メモを取れた分だけ掲載します。
(敬称略)
Q.お菓子が無かった。
A.アンドロイドの新しいバージョンが出ていなかったので(堂前)
Q.タイプS出ないんですか?
A.みなさん欲しいんですか?(佐々木)
Q.カウントフリーやらないんですか?
A.やらない方針は変わりません(佐々木)
Q.Amazon Prime Video HDが見れるくらいに昼休みの速度を何とかしてほしい。
A.HDは…レベル高いです…すみません(佐々木)
Q.Iphoneの取り扱いはしませんか?
A.Apple Storeで買ったほうがいいのではとは思いますが、ご要望に応じて考えます。(佐々木)
次回は10月・・・
次回も参加したいと思います。
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