イーアクセスやMVNOと呼ばれる自前の回線を持たず大手から借りて
格安スマホ等を提供する中小・新興の携帯電話会社が、
総務省の通信検討会で端末SIMロックの解除を要請しました。
イーアクセスはSIMロックを掛けておらず、
MVNOなどの中小でもSIMロックを掛けていないのが現状です。
対して、大手は端末に自社の通信網しか使えないようにSIMロックを掛けて、
端末代金を無料にしたり、各種割引や場合によりキャッシュバックも付けて販売しています。
このことにより、安価な通信会社に乗り換えるにも、
再度高価な端末を購入する必要がありコスト負担が増えるので、
乗り換えが起きにくくなります。
大手3社はSIMロックにより利用者を囲い込めるが、
資金力が小さい中小や新興では利用者獲得が難しく、
SIMロックの障壁が問題となります。
MVNOといった自前の回線を持たない通信会社が日本より普及している欧米では、
端末はSIMロックが掛けられていない販売時からSIMフリーの端末や
SIMロックは掛かっているが一定期間の契約後に解除できる制度があります。
日本インターネットプロバイダー協会は、端末は利用者の所有物であり、
SIMロックにより利用を制限するのは権利の侵害であると主張しています。
日本でも数年前にSIMロック解除の指針が総務省から発表されましたが、
大手ではNTT docomoがAndroid端末のSIMロックを3千円程度で解除できる制度を作りました。
SoftBankも一部端末を有料で解除できるサービスを設定しています。
しかし、初からSIMロックフリーの端末が標準には至っておらず、
解除サービスの実態としても活用されているとは言えない状況です。
総務省は、指針の見直しや法整備も視野に入れて検討をしています。
元情報:日本経済新聞
SIMロック解除はユーザーの権利
8年前と状況がかなり変わってきています。
2006年頃の話で、
勝手に携帯電話のプログラムを改造してSIMロックを解除して販売し逮捕
という事件がありました。
ただし、この事件は、実際に違法性がある行為
「不正改造による著作権違反」や「古物営業の無許可営業」等の理由で逮捕されています。
当時はTVニュースでも報道され、
「SIMロック解除はユーザーの権利!」とコメントしながら連行されていく
業者の姿が流れていたことをボンヤリと覚えています。
「何言ってるんだか」と思っていた人も多かったのではないかと思いますが、
今では業界団体が「SIMロック解除はユーザーの権利」と主張しています。
SIMロック解除は言語道断、ルール違反であるという風潮が本格的に変わりそうな流れです。
SIMロック解除は問題もある
SIMロック解除されても全てが自由というわけではありません。
ラジオでAMとFMがあるように、携帯電話も電波の周波数が各社異なっています。
AM専用ラジオでFMを受信視聴できないように、
特定の周波数しか送受信できない携帯電話で周波数があっていない通信会社の電波は使えません。
SIMロックにより特定のキャリアで使用してるのでキャリアから動作が保証されていましたが、
それがなくなる場合もユーザーが考えねばなりません。
SIMロックが解除されれば
海外旅行に行く方は、
現地でプリペイドのSIMカードが売っていれば割高な国際ローミングを使わずに、
現地のキャリアで通信できます。
MVNOなどの安価な通信サービスの利用も容易になるので、
ユーザーにとって通信費の低価格化の可能性があり、
今後のSIMロックの動向は注目です。
日本でもSIMフリー化の流れが進むとユーザーは嬉しいですね。
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